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奕斯偉計算|RISC-V車載用MCUがASIL-B機能安全認証を取得 車載電子の安全性が新たな段階へ
2025-08-20

  このたび、奕斯偉計算は自社開発のRISC-Vコアを搭載した車載グレードMCU「EAM2011」について、厳格な機能設計評価、ドキュメント審査および製品検証を経て、中国新エネルギー自動車技術イノベーションセンターより、ISO 26262:2018車載用半導体(チップ)機能安全製品認証の証書を取得しました。これにより、本製品がASIL-B機能安全レベルの要求に適合していることが証明されました。


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  国際自動車機能安全分野で最も権威ある標準規格の一つである ISO 26262:2018 の認証プロセスは極めて厳格で、製品の設計から廃棄に至るライフサイクル全体を網羅します。機能安全マネジメント、コンセプト段階、システム段階、ハードウェア開発、ソフトウェア開発、支援プロセスなど全工程を対象とし、自動車の電気/電子システムが設計・開発・生産において国際的に最高水準の認知度と厳格性を備えた安全基準に適合することを確保し、潜在的リスクの低減と運転手及び同行者の安全確保を目的としています。 ASIL(Automotive Safety Integrity Level:自動車安全度水準)は、ISO 26262 における安全リスクの区分で、A・B・C・D の4段階があります。なかでも ASIL B 認証は、車体制御や基礎的な運転支援などの安全関連システムに適用されます。自動車業界ではサプライチェーンの安全性要件が極めて高く、大手自動車メーカーやTier 1サプライヤは、ISO 26262(とりわけ ASIL B 以上)の認証を主要な採用条件の一つとして位置づけています。


  国産プロセスプラットフォームに基づく国内初のRISC-V汎用車載MCU製品として、「EAM2011」は奕斯偉計算の自社開発したRISC-Vコアを採用し、すでにAEC-Q100 Grade 2 車載規格認証を取得、さらに車載向けソフトウェアエコシステムも完備しています。


  豊富な周辺インターフェース、高精度なリアルタイム制御、強力なフォールトトレランスと安全性、軽量AIアプリケーション対応といった特長を備え、本製品は自動車ドア、ウィンドウ、シート、電動バックドア、ボディ制御、ランプ制御、エアコン制御、ダッシュボード、センターコンソールなど、幅広い車載インテリジェント制御シーンで活用することが可能です。


  今回の機能安全製品認証の取得は、「EAM2011」がハードウェアのランダム故障確率やシステム安全メカニズムのカバレッジといった重要な指標において、厳格な基準を満たしたことを意味します。さらに、設計検証からテープアウト・パッケージング、故障モード解析に至るまで、完全な安全ライフサイクル管理要件にも適合しており、本車載グレードMCU製品の卓越した性能を示しています。加えて、奕斯偉計算が車載グレード分野における自主的な技術革新力を鮮明に示すものであり、自動車電子安全技術の分野で新たな段階へと踏み出したことを象徴しています。


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  奕斯偉計算は、確かな技術的蓄積と認証実績を有しています。すでに2022年9月には、コア設計・システム開発から検証ツールに至るまでの全プロセスにおいて、ASIL-D機能安全マネジメントシステム認証を取得しました。さらに2025年6月には、同社のRISC-Vコア「R500A」がドイツTÜVラインランドよりASIL-B機能安全認証を取得し、世界で初めて同認証を受けたRISC-Vコアとなりました。


  スマートカー分野において、奕斯偉計算の技術展開は車載インテリジェント制御にとどまりません。RISC-V技術マトリクスを基盤に、車載ビジョン認識、インテリジェントコネクティビティ、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)ソリューションにおいても、CMS電子ミラー(ISP画像処理+MCUを含む)、SerDes(映像伝送)といった中核ソリューションをすべて機能安全設計プロセスに組み込み、画像取得から画面表示に至るまでの完全なチェーンを構築しました。これによりリアルタイムデータ伝送を実現し、スマートコックピットに対して一層高い安全性を提供しています。


  今後、奕斯偉計算は車載分野における技術および製品イノベーションを一層深化させ、車体制御やインテリジェントコネクティビティなどの分野において、高い安全性と高信頼性を備えた製品群を拡充してまいります。これにより、世界の自動車市場に対し、よりスマートで、より安全なソリューションを提供していきます。